六ノ里について

「六ノ里」について、ご紹介します。

住所は、岐阜県郡上市白鳥町六ノ里。
「六ノ里」と書いて「ろくのり」と読みます。

ロケーションは岐阜県のほぼ中央に位置し、「郡上踊り」で有名な郡上八幡より 少し北にあります。

かつては「郡上郡白鳥町」と言う独立した自治体でしたが、2004年に近隣の町村と合併し「郡上市」となりました。

最寄りの駅は、長良川鉄道の「美濃白鳥(しろとり)駅」。
最寄りのインターチェンジは、東海北陸道の「白鳥IC」。
名古屋からですと、高速道路で約1時間半。

もともとは独立した自治体でしたので、普段の買い物や銀行、病院など、 車で15分くらいで白鳥の町中に行けば間に合います。
ただし、衣服や靴など、お洒落な物が欲しいとなると関市まで行かないとならないです。

地図で見ると、こんな感じです。

白尾山に源を成す「牛道川」沿いの東西に開けた谷に有る集落で、 標高は530mから750m以上に広がります。
衛星写真で見ると、こんな感じです。

谷あいの集落ですが、開けていて山に邪魔されず空が広いです。
また、 全国的にも珍しい東西の谷ですので、太陽は早く昇り、沈むのも遅い所です。
つまり、日照時間が長く、冬場でも暗い時間が少ないのが良いところです。
標高が高いので、夏は冷涼、冬はそこそこ寒い、寒暖差の大きい地域です。

寒暖差が大きい事で、良い事が有ります。
この温度差のお陰で、ここで採れる農作物は本当に美味いのです。

土の種類から言えば、ここの「黒ボク」と呼ばれる土質は、 けして条件の良い土では無いので、これは寒暖差の恩恵だと思います。

続いて、「六ノ里」の四季の移り変わりを簡単に御紹介します。 

春は、まず「福寿草」が咲き、続いて「カタクリ」が咲きだします。

左の写真が「福寿草」で、右の写真が「カタクリ」です。
ちなみに、どちらも朝になると花を開いて「福寿草」は日没に、「カタクリ」は昼過ぎに花を閉じて、また翌日に花を開きます。

この頃には、山菜もいっぱい採れます。

左の写真、左側から採ったばかりの「ゼンマイ」「たらの芽」「ワラビ」です。
他にも「あずき菜」「ヨモギ」等々、色んな山菜が採れます。

「たらの芽」は「天ぷら」や「おひたし」で美味しくいただきます。 (右の写真)
「ワラビ」「ゼンマイ」は塩漬けにして、保存食にしたりします。

*注意)山菜は自然生えで無く、育ててる物も有りますので、無断採取はご遠慮下さい!

それから「梅」が咲き、「花桃」と「桜」が続きます。 

ここは「桜」の多い所で、県道316号線の「野添」の交差点から、ここ「六ノ里」にかけて車を走らせると、 桜並木やそれぞれの民家の「桜」が目を楽しませてくれます。
他にも右の写真の様に「花桃」も多く植えられていて美しいです。

ここ「六ノ里」の「善勝寺」には、推定樹齢約500年の「桜」の古木が有ります。
古木ですが、毎年、綺麗な花を付けてくれます。

4月の後半には「善勝寺桜 桜まつり」が開催され、開花始めから散るまで 毎晩ライトアップされます。

「善勝寺」には写真の様に、道に面した所に石組みが有り、そこに「花桃」も植えられてます。
「桜」が咲き始める前から少しずつ咲き始め、「桜」が終わってからもしばらく楽しめます。

夏は、真夏でも、まず「エアコン」の必要が有りません。

日中でもカラッとしていて、日陰で風に吹かれれば素晴らしく心地良いです。
真夏でも、下手に薄着で寝ると、夜中に風邪を引いてしまうくらい涼しいです。
それくらい夏場は過ごし易い所です。

夏と言えば「盆踊り」ですよね。
 「六ノ里」の麓の「白鳥町」にも長い歴史を持つ「白鳥踊り」が有ります。
有名な「郡上踊り」と発祥は同じですが、こちらの方がアップテンポで、 若い子達の中には「白鳥サンバ」なんて言う人もいます。

毎年7月下旬から8月の中旬まで、だいたい金土日の夜「白鳥町」の街中で、唄い手、 演奏者を載せた屋台を囲んで開催され、特にお盆の8月の13日、14日、15日には「徹夜踊り」が開催され、徹夜で踊り明かされます。

踊りと言えば、初秋の「拝殿踊り」も紹介したいと思います。

9月になると、地区内の「平谷白山神社」「栃洞白山神社」「位山白山神社」において 順次開催されます。

「拝殿踊り」とは、神社の拝殿で、参加者の唄と踏み鳴らす下駄の音だけの、 シンプルな踊りで「白鳥踊り」「郡上踊り」の元になった踊りと言われ、 「キリコ」と言う飾り提灯の下で、輪になって踊られます。(写真提供:松川哲也氏)

実は、ここの「拝殿踊り」は「郡上市」や「白鳥町」の観光案内には記載されません。 唄の歌詞は、伝承された物に加え、その場で即興的に作られる物が有り、 中には『放送出来ない様な物』も有るのが理由だとか、そうで無いとか(笑)。

この「拝殿踊り」は「平谷白山神社」「栃洞白山神社」では秋の「例祭行事」の一部なのです。

ここで「栃洞白山神社」の「神事」の様子を紹介しておきます。

お昼過ぎから「宮司」さん、「遣幣使」さん、来賓の方々を迎え、「神社」で厳かに「神事」が行われます。(写真提供:松川哲也氏)

「神社」の「例祭」が終わったら、そろそろ「稲刈り」です。

ここ「六ノ里」には「六の里棚田米生産組合」が有って「郡上市」のコンテストでは、いつも上位にランクされる美味しい「米」が採れるんです。
これは、ここ「六ノ里」が寒暖差が大きく、水が物凄く綺麗で、良い「米」が出来る条件の所なんだと思います。

秋には、紅葉が目を楽しませてくれます。

比較的、広葉樹の多い所なので、そこここが「紅葉スポット」になります。
紅葉が綺麗なのに観光の方が少ないので、多くのカメラ愛好家が訪れます。

冬は、寒さが厳しく、雪が降ります。

地区内に元スキー場が有るくらいですから、いっぱい降る所だそうです。
昔は1メートルの積雪は当たり前だったそうですが、最近はそうでも無いです。
もっとも朝起きると60cmくらい積もっている事も有りますが。(笑)

写真は、昨年の1月末の様子です。
道以外の雪の多さに比べ、道路に雪が少ないのは「除雪車」のお陰です。

降雪地域ゆえに除雪体制がしっかりしていて、住居のそばの道に10㎝雪が積もると 除雪車がやって来てくれます。
雪が積もって無くても凍結が予想される時は、朝晩に「凍結防止剤」が車両にて散布されます。
ですので、スタッドレスタイヤを履いていれば、生活に困る様な事はまず有りません。
(4WD車がより安全、快適です)

ただし除雪して貰えるのは道までで、道から自宅の玄関までの間は自分で除雪しないとなりませんけどね。(右の写真)

冬にも楽しみが有ります。

「六ノ里」は人口250人ほど(2018年 現在)ですが、お寺が三つも有ります。
そのお寺で、大晦日の夜に「三寺まいり」が行われます。

「三寺まいり」とは、三つのお寺、それぞれの境内や参道に、青竹で作られた「竹灯籠」にロウソクの火を灯して年越しの参詣者を迎える行事で、 幻想的な空間が演出されます。

最後に、ここに住む人々の人柄について紹介したいと思います。

山間の小さな集落ですが、よく言われる『田舎の閉鎖的なコミュニティ』とは全く別物で、ここの人達は非常に開放的だと言えます。

『作物が採れれば、お裾分けしてくださいますし、農作業をしていれば色々とアドバイスをしてくださるなど、私の様な、この地に円も縁も無い町からの移住者に対しても、ここの皆さんは 何かと気に掛けて下さいます。』 (「移住者」の方の意見) 

<執筆者:注>
もちろん、自らが何もしないでこうなる訳ではありません。
ここに一緒に暮らす、一緒に時を過ごす仲間として、普段の挨拶はもちろん『自分が何者で、ここで何をしたいのか』を伝えて打ち解ける必要は有ります。

でも、これは『押しつけ』では無くて、なんと言うか『自然な手助け』とか『助け合い』みたいな感じで、言うなれば「付かず離れず」って感じでしょうか。

ここ「六ノ里」には、一緒に暮らす『仲間』をお互いに思いやり、気に掛けて、助け合う相互扶助の精神=『結(ゆい)の精神』が残っているのです。

この『お互いを助け合う精神』や結束力の強さは、ものすごく素晴らしいんです。
この事を一つ例をあげて紹介してみたいと思います。

この写真は「六ノ里地域づくり協議会」で、昔の道を「遊歩道化」した時の様子です。
左の写真の「丸木橋」は、有志の方々で取り掛かって1時間半ほどで作ってしまいましたし、右の写真の橋の塗り替えも半日も掛からずに完成しました。

どちらの作業も誰かに強制された訳では無く「六ノ里地域づくり協議会」の会報で呼び掛けたところ、時間の取れる方が、自分の出来る事を、自主的に、参加くださいました。

以上、ここ「六ノ里」について簡単に紹介してみました。
興味を持っていただいた方が、たくさん訪れていただけたらと思っています。

もっと詳しく「六ノ里」の歴史や観光名所を知りたいと思っていただいた方は、 詳しく紹介された方のサイトが有りますのでご覧ください。 (一部情報の古い所も有ります。)

(画像をクリックしますと、別ウインドウで開きます。)